2006年05月26日
いのちとからだ・健康の学習−児童と性
新版 人間と性の教育 第3巻
いのちとからだ・健康の学習−児童と性
“人間と性”教育研究協議会・編
大月書店(2006.4.20)
A5判 224ページ
定価(本体2,000円+税)
小学校で豊かに性教育を!どこでもだれでも取り組める、
わかりやすい性教育総論と全国の性教育実践11例で構成し
た最新版。
子どもたちの「性」に関する「なぜ」という疑問に、納得
のいく答えを返せる大人はどのくらいいるだろうか。また質問
をはぐらかされれば、性に関することは大人に聞いてはいけ
ないのかなあと、だんだんに子どもは思っていくものだ。
その結果、小学校に入ったころにはもうからだに関する話は
「エロいこと」であり、性に関しても固定観念や偏見、先入観
がすっかりすり込まれてしまっている。
しかし俗悪というしかない性情報や性の商品化がネット経由で
飛び交い、歪んだ性の世界にそのまま組み込まれてしまう危険性
が高い現代こそ、人として豊かに生きる力をつけるための性教育
の基礎の学習が要請されてくるのではないだろうか。
シリーズ第3巻となる本書では、児童期(小学生)になぜ性教育
が必要かといった理論に始まり、生活科、体育(保健)、総合的な
学習、家庭科や学級活動などでの実践例が豊富に掲載されている。
また巻末には、子どもがよく教室で発するような性に関する疑問
や、性的なものがからむ行為について、現場でどう対応していった
らよいのかをQ&A形式でまとめたものもある。これなどもとても
参考になる。
男として女として人間として自分のからだに正面から向き合い、
認め、受け入れ、考える。また教育課程との関連性や系統性、位置
づけなどを探る画期的なシリーズだ。また続刊で「変化するからだ
と心の学習−思春期と性」「性と生の主体者としての学習−青年期
と性」も刊行される。
子どもの声を生かした 保健室活動
子どもの声を生かした 保健室活動
−大規模校における養護教諭と子どもたち−
尾花美恵子著
不昧出版(2006.3.21)
A5判 152ページ
定価(本体2,000円+税)
保健室は学校の中でただ1つ、成績をつけない所、評価を
しない所、いつでも誰でも自由に出入りできる場所である。
だから子どもたちの本音もポロッと出てくる。長年、養護
教諭を務められてきた尾花先生の集大成の本。
いわば大ベテランの尾花先生だが、じつは最初から養護
教諭になろうと思ってはいなかった。むしろ小さいころは
絶対先生だけにはなりたくなかったそうだ。しかし資格だ
けでもと大学で単位を修得し、実習に赴いた先に転機が訪
れる。それは掃除の時間、子どもたちはまじめに掃除をし
ている子とそうでない子に分かれ、しかも掃除しない子の
方がいわゆる「頭のいい子」たちであった。黙々と掃除を
している子どもが、誰にも認められていないことを他の子
どもたちはどう考えているのかと実習の最後の授業で、子
どもたちにぶつけてみたのだ。
そして実習後、はじめて「先生」と名前の下に書かれた
手紙が届く、そこにはたった数行「先生が好きです。私は
先生が大好きです」と書いてあった。それは教室で誰とも
話す機会がなく、黙々と掃除をしていた子からのものだった。
担任と違い、養護教諭は全校児童に同じように接しする
ことができる。誰からも認められないような子や、教室の
隅で小さくなって過ごしている子どものために力になれる
のならとその手紙をきっかけに養護教諭の道を選ばれた。
そんな先生が、養護教諭冥利に尽きるときというのは、
あまり保健室を利用したと思われない子が、自分の姿を見て、
養護教諭になりたいとか、目指していると聞いたときだそうだ。
現在、教育界は大きな改革を迫られている。でもどんな
に制度が変わっても、今、目の前にいる子どもたちを心身
ともに健康に育成することには変わりはない。その役割の
原点を本書を通して再確認したい。
ずらーり マメ ならべてみると…
ずらーり マメ
ならべてみると…
深石隆司 写真
高岡昌江 文・編集
アリス館(2006.4.5)
B5判変形 28ページ
定価(本体1,500円+税)
おなじみのマメから、めずらしいマメまで18種類のマメが、
いろんな姿でずら〜り登場!
「マメ」と聞いて、あなたは何種類いえるだろうか?大豆、
小豆、黒豆、そら豆、グリーンピース、緑豆…。しかしまだ
まだあるのです。ナンテンカズラ、ホウオウボク、シカクマメ、
ディゴ、フジマメ、ギンネムなど。本書はそんな豆一家の大図
鑑だ。それぞれのマメのさや、マメの形、マメのへそ、マメの芽、
そして花などが、それぞれのマメごとにずら〜り並ぶ姿はまさに
圧巻です。子ども向けの児童書ですが、いっしょに読んでる大人
も「あれあれ!」「そうだったのか?」とぐいぐい引き込まれる
内容です。
この本は「ならべてみると…」シリーズの4巻目で、すでにカエル、
ウンチ、キンギョが発行されている。そのなかでも2巻目のウンチも
本書とならんで、食育の学習にピッタリ。どうして動物のウンチが
いろいろなのかのウンチクがいっぱいだ。肉しか食べないライオンの
それは真っ黒、そして骨を食べるハイエナは真っ白。またキリンの
ウンチはどうして丸いのかは読んでのお楽しみだ。
食育ノウハウブック
食を通しての心とからだの健康づくり
食育ノウハウブック
(社)神奈川県栄養士会
地域活動栄養士協議会監修
健学社(2006.4.25)
B5判 136ページ
定価(本体1,500円+税)
すぐに使えて役に立つ実践例が豊富!健康な食生活に
つながる情報が満載のノウハウブック!
インドの山奥で狼に育てられた女の子は、狼と同じ
ように四つんばいになり、生肉をむさぼるように食べ
たそうだ。他の動物と異なり、人間だけは人間が正し
く育てないと、人間としての食事ができない。
本書は、神奈川県で地域で活動する栄養士・管理栄
養士が指導媒体を工夫し、長期にわたって実践し効果
を上げている豊富な事例をまとめたもの。食育の現場
にとても参考になる。
「ぼくはげんき号。3つそろって出発進行」では、フラ
ンネルで食品モデルボードをつくり、食材のフェルトを
ボードに貼って使う。フェルトでつくった、たけのこ、
にわとり、とうもろこしなどがとてもかわいい。また
「今日なに食べたかな」は「食のビンゴ」シートを使い、
簡単に楽しみながら栄養のバランスチェックができる優れ
た教材だ。そのほかにもすぐに使えて役に立つ教材が満載
の本だ。
きらきらキッズに変身
きらきらキッズに変身
子育ての軸・4章 保健室からのメッセージ
須藤朋子
佐々木弘子 編著
野井真吾
かもがわ出版(2005.8.1 初版)
A5判 120ージ
定価(本体1,200円+税)
いつも光輝ける子どもでいてほしい。そしていつまでも
健やかでいてほしい。そんな願いを込めて、子どもにか
かわるすべての人に向けられた保健室からのメッセージ。
「すぐ疲れたという」「授業中じっとしていない」「具合
の悪さの症状を説明できない」「平熱が36度未満の子ども
が増えた」など、今の子どものからだのいたるところにお
かしさ(発達の遅れやゆがみと体調不良)が出ている。学
校の中で子どもたちの心とからだの健康につねに身近に接
している養護教諭の先生方にとっては、この変化は看過で
きない。
しかも学校に行くことを渋って大泣きする子、小さなけ
がでも我慢できずに「痛い痛い」と連呼する子、明らかに
神経症的なものからきていると思われる腹痛や頭痛、さら
には具合が悪いにもかかわらず、習いごとに行かなければ
ならないと言い、「お母さんに無理だと手紙を書いて」と
懇願する子。
この本は、そんな今の子どもたちを見つめている現場の
養護教諭の先生が集まり、もう一度子育て、そして子ども
の健康のことを見直そうと編んだ本である。
「子育てこれだけは」「寝ることでからだと心が育つ」
「遊びから、からだづくりを始めよう」「食べることは生
きること」「メディアを選んで生かせる力をつける」と章
立て、養護教諭の先生方が長年調査したデータなどを交え、
わかりやすくまとめてある。今ホットな脳の話題もあり、
保健指導や保護者向けのお便りにも活用できそうな一冊だ。
ボケない脳をつくる
今の脳力を80代までキープする生活の知恵
ボケない脳をつくる
篠原菊紀・著
集英社(2005.12.20)
B5判 128ページ
定価(本体1,400円+税)
あきらめないで脳を鍛えよう。脳に効く練習プログラム、
脳のしくみ、どんな食事や運動をすればよいのか、学校
中でみんなが楽しめる脳トレ決定版!
人間の頭のなかにある重さ約1400gの塊、ほんのり赤い
灰白色で左右ほぼ対称な一対。それが脳だ。
よく「脳のシワが多いほど賢い」といわれるが、実際、同じ
人間では外見上はほどんど差はない。むしろ差をつくるのは
脳内のネットワークの変化と充実、そしてダイナミックな更新だ。
本書は、健学社『健康ふしぎ発見ニュース』の監修やテレビ
などでもご活躍の篠原菊紀先生が誰にもわかりやすく最新の知
見や研究成果をもとにまとめた本。脳のしくみを知り、そして
自分の脳のクセを知る、そして脳の変化を知り、自分で脳をい
きいきはたらかせる方法をつかむことを目標としている。
食事や運動、睡眠に気をつけ、コミュニケーション力を磨いて
現状の脳力を維持しようという第1章の「脳力キープに役立つ、
8つの生活の知恵」、「脳のメカニズムを知ってボケない脳へ」
と題した第2章、そして脳活性化テストが充実する第3章「多角
的、脳力トレーニング」と続く。脳活性化テストなどは、学校
保健委員会活動などで、学校中で楽しめる内容だ。
また篠原先生も加わったプロジェクト「蓼科高原ヘルスアップ
ツアー」の紹介もある。運動と自然体験活動を主体とする脳ト
レーニングツアーで、宿では脳にいい食事も用意されている。
親子旅行、修学旅行のプログラムもあるそうだ。今年の夏の
予定はこれで決まり!かな。
さかなパワー
免疫力を高め、がんを予防する
さかなパワー
成瀬宇平・著
野崎洋光・レシピ考案
健学社(2006.3.25)
B5判 120ページ
定価(本体1,200円+税)
お魚博士と和食の達人による夢の競演が実現!魚介類に
含まれる機能性成分と健康効果をわかりやすく解説。
「分とく山」総料理長のご自慢レシピも満載。
魚が健康によい食品ということは理解しても、その種類は
多く、また調理に際しては頭や骨があるので面倒で食べにくい、
生臭みがあるので好きでないという人を多く見かける。しかし
それでいて、すしが大好きという人が圧倒的に多いのは、心か
ら魚が嫌いではなく、調理法が苦手とか食べ方の工夫をしてい
ないからだといえる。
本書は、健康によい魚の食べ方や健康に関する情報を身につ
けて、すてきな健康生活を過ごすためのヒントとして、栄養学、
食べ合わせ、調理のポイント、さらには給食だよりなどのヒント
として使えるコラムなどを充実させ編まれたものである。料理の
レシピや調理法はテレビなどでご活躍の「分とく山」総料理長の
野崎洋光先生が担当している。
魚のイラストも細密画のような丁寧さ。本書を読めば、今日か
らあなたもお魚博士の仲間入り!
生ごみ先生のおいしい食育
生ごみ先生のおいしい食育
吉田俊道・著
西日本新聞社(2005.12.11)
A4判 72ページ
定価(本体476円+税)
「なんでこんなにおいしいの?」学校、保育園、幼稚園、
市民の間で広がる、生ごみを生かしたとんでもなく元気
でおいしい野菜作り。
「身土不二」という言葉がある。すべての食べ物はみな
土から生まれ、そして私たちのからだになっていくのだ。
畑の害虫や病気だって、その存在にはきちんとわけがある。
著者は同じ野菜で次から次に害虫が発生するところとそうで
ないところを食べ比べ、その理由を実感し涙が出るほど感動
したという。つまり、害虫がつくところはおいしくなく、害虫
や病気は不健康な部分を掃除してくれていたのだ。
完熟したよい土を使えば、農薬も要らず、おいしく元気な
野菜がいただける。「今日も私は食べている、土に自然に生か
され、愛されている!」そしてこのことを子どもたちに知って
もらうために始めた「生ごみリサイクル元気野菜作り」。その
理論と実践が本いっぱいに記されている。
土の面倒を見、土からいのちをいただく食の知恵を子どもたち
に伝える。地温が高まり、種まきや苗付けの始まる今にぴった
りの本だ。
2006年04月04日
パネルシアター用Pペーパー
『食育フォーラム』2006年5月号の「なにわ発!おもしろ
食育教材」で教材製作に使用するパネルシアター用Pペーパー
です。
各社より製品が出ておりますが、アマゾンにて取り扱って
いる製品をご紹介いたします。
Pペーパー
Pペーパー厚口
Pペーパーとは
「Pペーパー(ぴーぺーぱー)」というよび名は、パネル
シアターを知っている方にはなじみがあるかもしれません
が、一般にあまり通用する名前ではありません。ですから、
文房具屋さんなどに注文してもときどき手に入らないこと
もあります。
正確には不織布のなかの一種で、紙ではありません。布
だと聞くと、腰のない、いわゆる布地のようなものを思い
浮かべるかもしれませんが、“分厚い画用紙”といったも
のです。
表も裏も同じように直接絵が描け、絵を描いた面も同じ
ようにくっつきます。また、軽くて丈夫なうえに接着力が
強いので舞台から落ちにくい、重ね貼りもできる…などの
特長により、魅力的な演出や仕掛けができます。
(参考文献:四恩社HP)
※追記 「食育フォーラム」5月号でとりあげたパネル
シアター用のPペーパーに関して、読者の方より大きな反響が
ありました。上記の紹介記事はパネルシアター教材を扱って
いるさんの四恩社さんのHPを参考にして編集部でまとめました。
なお四恩社さんではさまざまな大きさのPペーパーやパネル布、
初心者向けの入門セットなどを電話注文、ネットなどで販売
しております。ぜひご利用ください。
四恩社さんのホームページ
花粉症スッキリ解決!メンタルトレーニング
花粉症スッキリ解決!
メンタルトレーニング
寺沢宏次・著
ほおずき書籍(2006.3.31)
A5判 58ページ
定価(本体1,000円+税)
『心とからだの健康』2006年2月号でご寄稿いただいた
寺沢宏次先生の最新刊。自身ひどい花粉症に悩んでいた先生
が、自分自身の実践をもとにまとめた本。
本書は臨床医療に応用されているイメージ治療を用い、また
一流スポーツ選手が実践しているメンタルトレーニングの成果
を踏まえた新しい花粉症克服へのアプローチである。
花粉症はアレルギーである以上、完治することは難しい。
そのため症状を軽くする、あるいは症状が出ないようにコン
トロールすることが、このトレーニングの目標となる。
本書では、このトレーニングの段階を「はじめに、自分の
中でいつもはたらいている『免疫』というからだを守るしく
みを知る」「次に花粉アレルギーがどのようにして起こって
いるかを知る」「イメージするとはどういうことか、なぜ
大切なのかを知る」「花粉症克服のためのメンタルトレーニ
ングを実際にやってみる」の4つのステップに分けて説明し
ている。
なかでも最初の2つは、免疫や花粉症のしくみをイラストを
用いてわかりやすくまとめてあるので、子どもたちに免疫や
花粉症のしくみを教えるのにもピッタリである。
この方法で、寺沢先生の周りには花粉症が軽減した人がにわか
に増えたそうだ。いつでもどこでもでき、またお金もかからない
ものなので、ぜひ参考にされてみてはいかがだろう。
北斗晶の鬼嫁キッチン
北斗晶の鬼嫁キッチン
食材根こそぎ!! 使いっきりレシピ
北斗 晶・著
日東書院(2005.11.1)
A5判 120ページ
定価(本体1100円+税)
自称“鬼嫁”北斗晶が、家族への愛をこめてつくりあげた、
おいしさと栄養満点のレシピ集。食べればわかる必殺メニュー
の百花繚乱。
昔は「色が白いは七難隠す」といわれたが、今はさしずめ
「料理がうまいは…」になるのかもしれない。泣く子も黙る
悪役の女子プロレスラーとして名をとどろかせ、現在は同じ
くプロレスラーの夫と食べ盛りの息子2人に、居候まで含めた
一家の食卓を切り盛りする、自称“鬼嫁”の著者が「冷蔵庫
の食材を根こそぎ使い切る」を合言葉に自慢のレシピを紹介
する。
「使い切り」と聞いて、「貧乏くさい料理では…」と思わ
れた方、ぜひ本書を見てください。リングコスチュームさな
がらの、見た目にも豪華でおいしそうなレシピが盛りだくさ
んです。「かぼちゃのすいとんイタリアン」「マーボ大根」
「長ねぎ1本丸々焼き」などの必殺メニューがてんこ盛り。
そして極め付けは「ささっと作れるお手軽おやつレシピ」。
「豆腐のムース」「こんがり焼きバナナ」「お子さまサング
リア」と給食にも応用できそうなものが盛りだくさんです。
箸づかいに自信がつく本
箸づかいに自信がつく本
小倉朋子・監修
リヨン社(2006.1.5)
A5判 128ページ
定価(本体1300円+税)
「おいしく食べられれば、お箸の持ち方なんてどうでもいい」?
いいえ、あなたの手元はさりげなく見られています。子どもの
指導にも役立つ、今さら聞けないお箸のマナー。
お箸の起源については、はっきりしたことはわかっていないが、
約3千6百年前の中国の殷の時代に、すでにあったといわれている。
しかし初期のお箸は、人間が食べるための道具ではなく、お供え
ものをするときの神器として使われていた。
日本に伝わった時期は定かではないが、聖徳太子が食事の際、
中国にならって箸を使うことで統一し、一般に広まったとされる。
この本は、そんなお箸の歴史から、正しい箸の持ち方をマスター
するためのコツやトレーニング法、また箸使いのマナーから、和食
全般にわたる作法までイラストを交え、わかりやすく説明している。
ところで、みなさんは「咫」という単位はご存じですか?空手チョ
ップのように手を開いたときの、親指の先から人指しの先までの長さ。
箸の長さは、この「咫」の1.5倍がベターだそうです。子どもたちに
そんな話をしながら、箸を通して「食の大切さ」を伝えたいですね。
2006年02月23日
10代で育てる「じぶん表現力」
思春期の子どもとコミュニケーションする法
10代で育てる「じぶん表現力」
JAMネットワーク・著
主婦の友社(2005.11.30)
A5判 192ページ
定価(本体1300円+税)
10代は親に反抗しながら自我を確立していくむずかしい年代。
思春期の子どもとコミュニケーションする法を具体的に説明する。
「べつに」「うっせーな」「ビミョー」こう返されては、思春期
の子どもとのコミュニケーションしようという設定自体に無理があ
るのではと思ってしまう。
でも大人のように見えて、まだまだ危なっかしい思春期の子ども
たちをまったく放っておいてもよいというわけではない。しかも親
に過干渉されるのを嫌がっている半面で、全然無関心という態度を
とられるのも嫌なのもこの年代だ。では思春期の子どもに届くこと
ばとはどんなものなのだろうか。
ひと口に思春期といっても幅広く、初期(10〜13歳くらい)、
中期(14〜15歳くらい)、後期(16〜18歳くらい)と三段階
ある。またこの時期のコミュニケーションには、親や大人との
絆を深める方向と、子どもの自立を促す方向との2つの側面から
のアプローチが必要である。
子どもたちをとり巻く環境は、親世代のころと大きく変わって
きた。携帯電話やインターネット、そして24時間営業のコンビニ
やカラオケ…。子どもたちが未知の危険にさらされている今、子
どもたちの話を聞き、話し合っていける風通しのいい関係がとく
に必要だ。
またいずれ子どもは巣立ち、「子別れ」の時も来る。その覚悟
も親には必要である。本書を読めば「悩んでいるのはうちだけで
はなかった」と安心し、アプローチには「な〜んだ、こんなこと
でいいのか」と得心もするはず。保護者へのアドバイスや、先生
自身のコミュニケーション術アップにも役立つ1冊だ。
2006年02月01日
『折り紙でかわいい壁飾り』
『折り紙でかわいい壁飾り』
〜お店屋さんごっこが楽しめる壁面構成アイデア集〜
山口 真著
PHP研究所(2005.12.26)
B5判 96ページ
定価(本体1,400円+税)
折って遊んで飾って!子どもがよろこぶ食べ物折り紙です。一味違った、
教室やランチルーム、掲示板のたのしい壁面構成に役立つ。
いつも先生の頭を悩ませる掲示板づくりのヒントになる1冊です。紙さえ
あればいつでも、どこでもできるすてきな食べ物折り紙。にんじんやだいこ
ん、なすやさやえんどうなど野菜や果物、そしてフライドチキンやトング、
お玉まで折り紙でとてもかわいく再現されます。
折り方はとても簡単。作者による丁寧な作図もあり、初心者でも楽に折り
あげられます。写真やイラストだけでは単調になりがちな掲示板に貴重なア
クセントを添えてくれます。
また折り方をマスターして、給食委員会の子どもたちと工作しても楽しい
でしょう(ただし創作折り紙には著作権があります、その辺の取り扱いは
慎重に)。
『人のからだ』
『人のからだ』
ルアン・コロンボ著
聖路加看護大学人体教育研究会訳
講談社(2005.4.15)
A4判変形 16ページ
定価(本体2800+税)
理科室でおなじみの人体模型がそっくりそのままコンパクトに
1冊の本になりました。ページをめくると魚の3枚おろしのように
骨格系、筋肉、内臓などに分かれ、樹脂でつくったリアルな立体
模型によって、人間のからだの基本的なしくみがとてもよくわか
ります。またその部位に関しての最新の知見や、解説もわかりや
すく丁寧に書れています。またこの本は、看護学校の副教材とし
ても用いられているそうです。
健学社では、昨年大会などで展示販売をして大好評をいただきま
した!児童・生徒の教材として、また先生自身の勉強用として
幅広くご購入いただいております。
まだお求めになられていない先生は、ぜひこの機会にご検討
ください!
『メンタルリリース』
『メンタル リリース』
〜こころをひらく15のボタン〜
寺沢宏次著
ほおずき書籍(2005.9.25)
四六判 172ページ
定価(本体1000円+税)
「メンタル リリース」とは「心の解放」のこと。精神生理学の立場から、
こころを豊かにし、自愛と感謝の気持ちを持ちながら生きる喜びへと導く
15のポイント。コーチングのヒントにも。
著者の出発点は、ある不思議な医学データである。それは二重人格をもつ
子どもの症例で、ある人格のときにはアレルギー反応を起こすのに、別人格
が現れるとその症状が消えるというものだった。からだはそのままなのに、
人格、すなわち心が変われば症状がおさまるという事実に、がん患者1000人
のうち1人は自然治癒する原因が、「心」のあり方と密接な関係があるのでは
ないかと考えたのだ。
この見地から生還された人の体験を分析すると、「成功したり、病気が治っ
たり、何か願いごとがかなう過程には何か非常によく似たところがあり、この
非常によく似ている部分は、私たち人間が生きていくうえでとても重要なこと
ではないのか」と精神的・心理的な事象を生理学的に解明する「精神生理学」
に従事する著者は気がつく。「このように精神的な部分には、どうやらある法
則性が存在し、そのポイントとなるのは基本的に心の解放、すなわちメンタル
リリースだということです」
これを実現するうえでは、誰にでも15個のボタンが備わっていると予想し、
その1つひとつを確かめ押すことが大切だ。そしてそのボタンごとに成功を収
めたスポーツ選手や大病から生還した人の体験記、そして自らの経験も添え述
べていく。
とくにスポーツ選手の逸話は、子どもにも説得力がある。生きているこの瞬
間を大切にし、愛情を持って受け入れられ、人間本来の生を取り戻せるような
環境を家庭や学校で実現していくための導きの書となる一冊である。
なお著者の寺沢先生には『心とからだの健康』06年02月号に「運動による
経験・体験プロセスが脳を育む」と題してご寄稿いただいております。
2006年01月11日
『身近な野菜のなるほど観察記』
『身近な野菜のなるほど観察記』
稲垣栄洋著
三上 修絵
草思社(2005.8.30)
B6判変形 264ページ
定価(本体1600円+税)
私たち人間と同じように、野菜だって生きている。日頃何気
なくいただいている野菜の生命の躍動に目を向けさせる一冊。
私たちは毎日のように野菜を食べている。野菜が植物であり、
生命のあるものであることは頭ではわかっているつもりだ。
でも実際、それが感じられる機会は思いのほか少ない。私たち
の目の前にあらわれる野菜は、「植物」としてよりも「食材」
としての顔をしているからだ。だがそれは「よそゆきの顔」だ。
しかし、である。食卓でみる野菜の姿は、その生涯にとって
はいわば最後の舞台。その美味も魅力のごくごく一部に過ぎな
いような、食卓に上るまでの壮絶な生命のドラマが、どの野菜
にも人知れずある。また野菜は太古からの人類のパートナーだ。
野生から人間の要求に合わせ(そこには理不尽なものもあった
ろう)、その姿や形質を異常なまでに変化させてきたのだ。
本書は、そんな個性あふれる身近な野菜たちの生命の物語。
たとえば「ピーマン」。ピーマンの苦味は、じつは未熟なため
外敵に食べられないように出す苦味物質のためだ。実際、完熟
して食べる類縁のパプリカは甘いし、ピーマンも熟せば赤く甘
くなる。また中に実が詰まらないよう改良されてもいる。いわ
ば人間の嗜好に翻弄されるピーマンの半生を知れば、おいそれ
と「嫌い」とは言えない。またカリフラワーはブロッコリーの
突然変異から生まれたという話や、キャベツとレタスの似ても
似つかない話など、子どもにもつい教えたくなってしまう物語
が盛りだくさん。
なお著者の稲垣先生には本誌『食育フォーラム』で今春より
ご執筆いただく予定です。
『子どもの脳を育てる栄養学』
子どもの脳を育てる栄養学
中川八郎・葛西奈津子著
京都大学学術出版会(2005.12.15)
四六判 288ページ
定価(本体1500円+税)
脳は12歳ごろまでに完成するという。しかも脳に必要な栄養素や
その使われ方はからだの他の部分とずいぶん異なる。当然、大人と
子どもの違いも加味しなければならない。「健やかな脳を育むには
どうしたらよいのか」という見地に立って書かれた画期的な児童栄
養学の本。
脳に必要な栄養素は、ただ単に足りないものを補えばよいのでは
ない。たとえば子どもがキレる原因として「セロトニン」という神
経伝達物質の不足が影響しているという考えがあるが、だからとい
ってそれを多く含む食品やサプリメントを子どもに食べさせればよ
いのかというと、答えは「ノー」だ。
脳には、脳内に有害物質が入り込むことを防ぐ「血液・脳関門」
があり、神経伝達物質そのものは脳内に入り込めない。では食べも
のから「セロトニン」を補う方法は皆無かというと、これも答えは
「ノー」だ。脳のしくみを利用し、セロトニン生成の材料となる
「トリプトファン」と、それが脳内に運ばれるのを助けるホルモン
を分泌させる「糖」を同時に摂取すればよい。これはじつは民間療
法でも不眠を和らげるため、ホットミルクを飲むときに行っている
栄養素の組み合わせなのだ。
また大人にはよいとされる栄養素も、それがそのまま子どもに、
また成長期の脳にもよいかというとそうではない。この見地から分
析されたカテキンなどの「ポリフェノール」「DHAサプリメント」
の章も必読。脳の栄養学から見ると、炭酸飲料やジュースの飲みす
ぎは脳やからだに必須の物質である「セレン」の欠乏症を招いてし
まうおそれがある。また糖分や脂肪を必要以上に毛嫌いすると脳に
とって良くないことにも科学的な論拠をもって触れている。
本書の白眉は、「摂りすぎは不足と同じ」状態を生じる必須アミ
ノ酸についての章。とくに市販の「アミノ酸サプリメント」につい
てはその配合バランスが極端であり、そのまま子どもに与えるのは
危険ではないかと警告を発する。また著者の専門分野という体内時
計の関連から、朝食の大切さや生活リズムを整える大切さも説かれ
ている。
いわば栄養学も不足の埋め合わせだけの「幾何の精神」から、食
べ合わせや人生の諸段階の違いも考えに入れた「繊細の精神」に転
換すべきと促す画期的な書物だ。