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2006年05月26日
子どもの声を生かした 保健室活動
子どもの声を生かした 保健室活動
−大規模校における養護教諭と子どもたち−
尾花美恵子著
不昧出版(2006.3.21)
A5判 152ページ
定価(本体2,000円+税)
保健室は学校の中でただ1つ、成績をつけない所、評価を
しない所、いつでも誰でも自由に出入りできる場所である。
だから子どもたちの本音もポロッと出てくる。長年、養護
教諭を務められてきた尾花先生の集大成の本。
いわば大ベテランの尾花先生だが、じつは最初から養護
教諭になろうと思ってはいなかった。むしろ小さいころは
絶対先生だけにはなりたくなかったそうだ。しかし資格だ
けでもと大学で単位を修得し、実習に赴いた先に転機が訪
れる。それは掃除の時間、子どもたちはまじめに掃除をし
ている子とそうでない子に分かれ、しかも掃除しない子の
方がいわゆる「頭のいい子」たちであった。黙々と掃除を
している子どもが、誰にも認められていないことを他の子
どもたちはどう考えているのかと実習の最後の授業で、子
どもたちにぶつけてみたのだ。
そして実習後、はじめて「先生」と名前の下に書かれた
手紙が届く、そこにはたった数行「先生が好きです。私は
先生が大好きです」と書いてあった。それは教室で誰とも
話す機会がなく、黙々と掃除をしていた子からのものだった。
担任と違い、養護教諭は全校児童に同じように接しする
ことができる。誰からも認められないような子や、教室の
隅で小さくなって過ごしている子どものために力になれる
のならとその手紙をきっかけに養護教諭の道を選ばれた。
そんな先生が、養護教諭冥利に尽きるときというのは、
あまり保健室を利用したと思われない子が、自分の姿を見て、
養護教諭になりたいとか、目指していると聞いたときだそうだ。
現在、教育界は大きな改革を迫られている。でもどんな
に制度が変わっても、今、目の前にいる子どもたちを心身
ともに健康に育成することには変わりはない。その役割の
原点を本書を通して再確認したい。
投稿者 ken : 2006年05月26日 22:28