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2006年01月11日

『身近な野菜のなるほど観察記』

『身近な野菜のなるほど観察記』

稲垣栄洋著
三上 修絵

草思社(2005.8.30)
B6判変形 264ページ
定価(本体1600円+税)


 私たち人間と同じように、野菜だって生きている。日頃何気
なくいただいている野菜の生命の躍動に目を向けさせる一冊。

 私たちは毎日のように野菜を食べている。野菜が植物であり、
生命のあるものであることは頭ではわかっているつもりだ。
でも実際、それが感じられる機会は思いのほか少ない。私たち
の目の前にあらわれる野菜は、「植物」としてよりも「食材」
としての顔をしているからだ。だがそれは「よそゆきの顔」だ。

 しかし、である。食卓でみる野菜の姿は、その生涯にとって
はいわば最後の舞台。その美味も魅力のごくごく一部に過ぎな
いような、食卓に上るまでの壮絶な生命のドラマが、どの野菜
にも人知れずある。また野菜は太古からの人類のパートナーだ。
野生から人間の要求に合わせ(そこには理不尽なものもあった
ろう)、その姿や形質を異常なまでに変化させてきたのだ。

 本書は、そんな個性あふれる身近な野菜たちの生命の物語。
たとえば「ピーマン」。ピーマンの苦味は、じつは未熟なため
外敵に食べられないように出す苦味物質のためだ。実際、完熟
して食べる類縁のパプリカは甘いし、ピーマンも熟せば赤く甘
くなる。また中に実が詰まらないよう改良されてもいる。いわ
ば人間の嗜好に翻弄されるピーマンの半生を知れば、おいそれ
と「嫌い」とは言えない。またカリフラワーはブロッコリーの
突然変異から生まれたという話や、キャベツとレタスの似ても
似つかない話など、子どもにもつい教えたくなってしまう物語
が盛りだくさん。

 なお著者の稲垣先生には本誌『食育フォーラム』で今春より
ご執筆いただく予定です。

投稿者 ken : 2006年01月11日 15:40

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